暮らしに還元されるビジネスを応援! スタートアップを未来の力に。

2022.12.14

先進的なサービスやプロダクトをつくるスタートアップと、それをさまざまな制度によって全力でサポートする渋谷区。事業支援や提携、実証実験など、渋谷区との関係性が深く、私たちの暮らしを変える可能性を秘めたスタートアップによる新サービスと実用化までのヒストリー。

子育ての味方を呼び出すアバターロボット「チカロ」。

遠隔から操作をして、子どもを見守ることのできるロボット「チカロ」。料理や家事、仕事のちょっとした時間に利用すれば、遠方にいる家族が代わりに子どもの遊び相手になることができる。

『チカロ』は子どもとロボットのコミュニケーションの研究をしている電気通信大学で、育児と仕事を両立している新米ママの声から生まれました。このサービスが、両親のキャリアと子育てが両立しやすい社会の実現につながることを願います」

現在はAI などのテクノロジーによって子どもの個性に合わせたサポートができる“オーダーメイド育児”の仕組みを研究中。渋谷区でも実証実験の場として、渋谷区子ども発達相談センターや渋谷区立保育園と連携。育児の現場の声を聞くために保育の現場に「チカロ」を導入し、遊び方の実験、記録をしながらよりよいサービスのためのチューニングを続けている。

お話を伺いました

奥 温子さん

ChiCaRo 代表取締役社長

利用者の“優しさ”でトイレの混雑を抑止するサイネージ「VACAN AirKnock」。

「VACAN AirKnock」は、トイレに設置したセンサーで空間の空き状況を検知し、データをもとに混雑具合を解析。そこで得られた情報を利用者に届けるサービスだ。

「自分自身が家族との貴重な時間に、商業施設が混雑していて待つためだけに時間を浪費してしまった経験から、これまで見えなかった場所の混雑状況を可視化することに挑戦しました」 

渋谷区では、サイネージを通じて個室にいる利用者にトイレの混み具合などをお知らせできる「VACAN AirKnock」を自治体としてはじめて導入し、トイレの混雑緩和を目指してきた。加えて、トイレ内に設置されたサイネージを通して、広告や施設情報を配信し、新たな情報提供の場を創出している。

「今後も活性化が見込まれる渋谷区において、誰もが安心して施設を利用できる優しい都市の実現に協力したいと思います」

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河野剛進さん

バカン代表取締役

人に話しにくい更年期の悩みに寄り添うオンライン相談サービス「トゥルーリー」。

女性が抱える課題をテクノロジーで解決するというフェムテック分野において、特に更年期の課題に寄り添い、悩みに応えるオンライン相談サービス「TRULY(トゥルーリー)」。

産婦人科医の宋美玄さんに助言、監修をいただき、“知る、調べる、相談する”という3つのステップで、メディアやセルフチェック、チャット相談のサービスを展開している。

「サービス立ち上げの原点に は妊娠、出産時に知識がなく、誰にも相談できなかったという自分の経験があります。更年期にまつわるサービスはまだまだ少なく、自分自身もいずれ年齢を重ねていくにあたって、妊娠期に感じたような孤独を感じることがないように、この課題に向き合うことを決めました」 

渋谷区では「Shibuya Star tup Deck」のサポートをきっかけに「働く女性の健康課題を解決するためにフェムテックを活用する実証実験」を実施した。

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二宮未摩子さん

TRULY CEO

保育施設と家族の負担を減らす、おむつの定額サービス「手ぶら登園」。

「手ぶら登園」は月額定額料金を支払うだけで、おむつ、おしりふきが直接保育施設に届く、サブスクリプション型のおむつお届けサービスだ。 

「もともと全国45カ所の保育施設を運営する中で、おむつの管理などによって保護者も保育者も疲れてしまっている現実を知りました。こうした作業をなくすことで、少しでも負担を減らせるはずだと考えたのがきっかけです」 

すでに全国約2,000施設へ導入されており、面倒なおむつへの名前書き、おむつの持ち込みなどの負担の軽減に役立っている。保育施設としても子どもごとのおむつの個別管理をなくすことができれば、子どもと接する時間を増やすことにもつながる。

渋谷区では「Innovation for New Normal from Shibuya」という仕組みを通じて、区内全区立保育園への導入をいち早く決定、利用を開始。これを皮切りに全国自治体へと導入が広がっている。

お話を伺いました

上野公嗣さん

BABY JOB代表取締役

“まだまだある渋谷発のサービス”

渋谷区と関係の深いサービスは、ここでは紹介しきれないくらいまだまだたくさんある。あなたの知っている、あのサービスも。

街中が駅前になる、新しい交通インフラ

Luup

街中の電動マイクロモビリティにどこからでも乗れて好きな場所に返せるシェアリングサービス。渋谷区とは新しい短距離移動インフラの実現に向けた連携協定を締結している。

誰もが輝ける社会に向けたバリアフリーeスポーツ。

ePARA

eスポーツ(ビデオゲームなどを使ったスポーツ競技)を通じて、障がい者の活躍の場を創出。年齢や性別、障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめる「バリアフリーeスポーツ」を普及させている。

あなたが使える公共制度が分かるチャットサービス。

Civichat

渋谷区の子育て制度や保育施設について利用者に合ったサービスをおすすめしてくれる。※2022年8月でいったんサービスを終了し、新たなサービスを検討中。

渋谷区と民間企業による組織「シブヤスタートアップデック」が取り組むカテゴリー。

[不動産部会]

空き物件の活用や居抜きマッチング、家賃保証制度など、スタートアップ向けのオフィスや住環境を整備する。

[金融部会]

銀行口座開設の支援や資金調達しやすい仕組みをつくるなど、スタートアップに欠かせない金融視点を提供する。

[人材部会]

分野にかかわらず必要とされる人材を探してマッチングするなど、スタートアップを人材面でサポートする。

[グローバル部会]

海外スタートアップ向けの保険やプログラムなどを通じて、海外のスタートアップ企業を積極的に誘致する。

[文化部会]

ダイバーシティ&インクルージョンを念頭に、新しい技術を使って、文化的なイベントの開催などを推進する。

[実証実験の仕組みづくり部会]

他都市との連携も含めて、社会課題を解決するサービスなどを街とともに実証実験する仕組みをつくる。