
【代々木、千駄ヶ谷エリア】人々とつながる楽しさや多様性を、スポーツを通じて学べる場所。
2022.12.13
これまで2度のオリンピックでメイン会場として使われた国立競技場をはじめ、大規模なスポーツ施設をいくつも有するエリア。 日本を代表する “ スポーツの聖地 ” として知られるこの地域が、国内のスポーツ活性化にどう貢献してきたかを深掘りする。

右/藤田俊哉さんToshiya Fujita
サッカー元日本代表
1995年にジュビロ磐田に入団し、 日本代表としても活躍。2011年に引退。現在は欧州と日本で選手の育成やマネジメントに携わる。
左/髙田千明さんChiaki Takada
パラ陸上競技選手
先天性の病で視力を失い、22歳から本格的に競技開始。東京2020パラリンピックでは走り幅跳び5位入賞。ほけんの窓口グループ所属。
新旧それぞれの国立競技場で活躍した人に話を聞いた。
オリンピックレガシーの象徴である国立競技場に対して抱く想いや、未来を担う世代へ向けた活動。新旧それぞれの国立競技場で活躍した人に話を聞いた。
「高校球児が甲子園を目指すように、サッカー少年は国立競技場を目指す」と話す藤田俊哉さんがこの場所をはじめて訪れたのは、高校年生のとき。プロデビュー後もたびたび試合でこの地を踏んだ。
一方で、髙田千明さんは東京2020パラリンピックでこの場所へと足を踏み入れた。

建築家・隈研吾を中心に設計さ れ、2019 年 11 月 に 竣 工。地 上 5 階・地下2階建て、敷地面積は約109,800m²。およそ68,000席(う ち車椅子席は500席)を有する。屋根や庇に木材を取り入れた、温 かみのある設計が特徴的。観客席のシートには木漏れ日をイメージした5つの色(白、黄緑、グレー、深緑、濃茶)を使用している。
現役引退後に選手の育成やマネジメントに関わる藤田さんと、都内の小中学校でパラスポーツに関する講演会を行う髙田さん。次世代を育てる活動において、互いに共感する点も多いよう。
「海外で監督を目指したとき、指導者になるためのハードルが想像以上に高くて。しかし、一流の選手を生むためには指導者を育てる必要があると思うんです。実は、渋谷区のサッカー事業に参加した経験も。地域を盛り上げるために、僕は区のクラブチームを作るべきだと考えています」と藤田さん。
髙田さんは「最近は部活動に外部コーチを招く学校も増えていますし、専門性のある指導はやはり重要ですよね。私も学校から依頼があれば、できる限り訪れるようにしています。子どものうちに障がいのある人と接した経験がある人とない人では、周りを見る目や対応力がまったく違うので。やはり、実際に対話して理解してもらうことは大切だと感じます」と話す。
選手と指導者、そして彼らを取り巻くサポーターやボランティア。全員が一丸となって活動してこそ、地域のスポーツが盛り上がり、多様性の輪が豊かに広がっていくのだ。

最後の試合は思い出のこの地で。
わたしと国立競技場
2013年には自身の引退試合を国立競技場で開催。 「高校時代から引退まで、 20年以上にわたるサッカー人生に欠かせない場所です」
Picture ©日刊スポーツ/アフロ

不安に打ち勝ち自己ベストを更新。
わたしと国立競技場
東京2020パラリンピックの100mと走り幅跳びに出場。走り幅跳びでは5位に入賞した。「地元東京での開催で、いつも以上に緊張しました」
Picture ©Joel Marklund/IOC/OIS/アフロ

幅広い世代の仲間とともに、区のスポーツを盛り上げる。
多くの人々に渋谷区のスポーツを支える担い手となってもらうことを願い、2022年春に誕生した「渋谷区スポーツボランティア」。区で開催される、スポーツ振興事業 やパラスポーツ大会といったイベントの運営補助やボランティア交流会を通じて、渋谷区のスポーツをより活性化していくことを目指している。メンバー同士の交流会と、ボランティア活動に役立つコツを学ぶ講座を定期的に開催。